本ろぐ[4]もう、ひとりにさせない




表紙からしてそれっぽい。浮世離れしたようないい話が書いてありそうだ。
人間というものでいることは、時にしんどいことである。私の弱さをじゅうぶんにわかっている私が、更に追い詰められるようなことが書いてあったらとても読む気になれないんだが。


と思っていましたが、違いました。


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この作者さんはとても素直な方。


ホームレス支援を22年続けて来られました。こう書くと、ものすごく聖人を想像されるのではないでしょうか。

もしくは、空気の読めない偽善者。



この作者さんは牧師ですが、信仰の揺らぎや戸惑い、それどころか、神はいるのかいないのかにまで迫ります。しかしさらけだされた中に、逆に信じて生きる理由が見出せるかもしれません。こんなひどい世の中に神はいるのかと問い続けます。




ホームレスと言っても、ハウスレスとホームレスがあり、ハウスがあってもホームレスになり得る現代の悲しさも書かれています。


自分の顔すらまともに見ることができない人間は、他者との間で生きなければ生きられない存在です。自分以外の誰かの中に自分を見出すのが、人らしく生きるということです。



**いつのころからか、私たちは他人のために傷つくことを「損」と思うようになった。その結果、私たちの愛は冷えた。


**その絆は、きず(傷)を常に含んでいることを忘れてはいけない。私のために傷つく者が、私の絆となり、ホームとなる。




本書はさらに、自己責任論、身内責任論社会についても触れられています。

助けてと言えないで放浪してしまう若者たち。



それ以前の問題だ、という言い方があります。ベースがしっかりしていてこそ、自己責任を果たすことができるのですが、それ以前の問題、が多く見られる気がします。


本書の引用をさらに引用します。


***いい人ほど勝手な人間にはなれないから、つらくて苦しいのや。人間が動物と違うところは、他人の痛みを、自分の痛みのように感じてしまうところなんや。ひょっとすれば、いい人というのは、自分のほかに、どれだけ、自分以外の人間が住んでいるかということで決まるのやないやろか。



**別にいい人になりたいとは思わない。でも、できればいい人に出会いたい………


正直に、自分に神の愛、アガペーの実践はできないこと、それならばなぜこの活動を続けていられるのかも書いてあります。



だいじょうぶですかと言った数時間のちに、自分は暖かい布団に潜り込む、わたしは何をやっているんだろうか?



私はこのような活動をされている方の心境や実情を何も知りませんでした。読みやすく書かれた本ですが、とても勉強になりました。ぜひ。





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