ピアノを教えはじめてずいぶん経ちますが、講座に行くといつも発見があります。今回はバーナム。
講座内容ですが、主にバーナムミニブックの使い方。
誰にでも弾けるので、初見の練習などにも使われていると思います。
しかし、これが半端なく奥が深かった・・・・。印象に残ったことをいくつか。
* 棒人間は飾りじゃなかった *
同じドでもその立ち位置によって音の出し方が違います。当たり前なのですが、棒人間の図解をよく考えて、どのような動作を求められているのか、そしてそれをピアノで表現するにはどのように力の配分をするのか、よく研究する必要があります。
例えば、3番の「まりをつこう」では、ドでボールを持ち、レでついて反動であがってくる、3音めのドでキャッチ。はじめの2小節は大きなまり、3小節目が小さなまり。
5番の「ころがろう」では、ころがるとういうことは、常に床のどこかに身体がくっついていることを連想して、重さをつなげていくレガートの練習をします。
* 多くを求めすぎない *
この場面ではどのようなテクニックを求められているのかを見極め、それ以外のテクニックや型には目をつむることも重要。小さな子どもの場合、あれもこれも伝えても、中途半端になります。例えば1番の「歩こう」では、マルカートの形が求められているので、しっかりと根元が動いた音が出せていれば、指先には目をつぶることもあり。つい言ってしまいます・・・。
* 汚い音を学ぶ *
汚い音がわかっていないと、綺麗な音もわからない。「長靴を履いて、水たまりを歩こう」のようなところで、思いっきり調和されていない音を学ぶ。
汚いと言うと語弊があるかもしれませんが、2度と3度の認識です。
* 指導者が、このテクニックがどこにつながっていくのかを認識する *
この小さなテクニックは、あのいつか弾く大きな曲を細かく細かく分解したものであるということを、指導者がわかっていること。
これが何に繋がるのか、というのは逆をたどれば、今この大曲のこのテクニックがうまくいかない場合、ここまで戻って練習すればうまくいくかもしれない、ということでもあります。
今までピアノを弾いていながらも、絶対に何か理屈があるはずだと思っていて、常に説明を求めていた私には嬉しい講座でした。
幼い頃はかなりぼーっとしていたので、耳と感覚と運動神経で乗り切って来た感がありますが、わたしの生徒には、これまでよりさらに、理屈っぽい先生の道を邁進していくと思います。覚悟してね☆